負荷試験の実施へ向けて
/ 初めにお伝えしたいこと /
各施設に設置されている非常用発電機において、定期的な『負荷試験』の実施は、
消防法(第17条3の3)・点検要領(第24非常電源)にて義務化されています。
負荷試験の実施は、国が定めた法令を遵守することにおいて、非常用発電機オーナー様各自が取り組むべき重要な責任となります。
/ 負荷試験実施の意義とは /
非常用発電機の役割
不特定多数の人が出入りする施設において、万が一火災が起きた際には火栓ポンプやスプリンクラーを起動させ消火活動を行う必要があります。更に高層ビルやマンションでは、避難時において非常用エレベーターが重要な移動手段となり得ます。こういった状況下において、火災により停電したから使えないでは、消火活動や人命救助活動に支障が生じるため、『バックアップ電源』として非常用発電機が重要な役割を果たします。
ご認識いただきたいこと
発電機のエンジンが問題なく始動できるからといって、そのまま発電できる状態であるとは限りません。現状の発電能力の有無を確認するには、負荷試験を実施して、実際に負荷をかけて運転させることが必須となります。
無負荷での運転状態とは
負荷試験実施の目的
①現状の発電性能を確認
実際に電力要求(負荷)をかけて初めて発電可能な状態かを確認することができます。
②無負荷運転では分からない不具合の発見
負荷をかけて出力を上げていく段階でなければ発見できない、様々な不具合要因を早期に発見し、いざという時に安心して発電できる環境へつなげます。
③エンジン内部蓄積の不燃焼カーボン除去
無負荷によるエンジン空ふかしによって蓄積した湿ったカーボンによる不具合を防ぎます。
/ 負荷試験の実施方法 /
実負荷による試験
商用電力からの電力供給を停止し(意図的な館内停電状態)、非常用発電機から消防用設備等へ電気を供給させることで負荷運転を実施。
イメージ図
実負荷試験における注意点
模擬負荷試験機による試験
商用電力から消防用設備等への電力供給はそのままに、非常用発電機から『模擬負荷試験機』へ電気を供給させることで負荷運転を実施。
イメージ図
模擬負荷試験機のメリット
①全館を停電状態にしなくても試験を実施できる。
②発電機への負荷率を試験機側で自由に調整できる。
※現状の負荷試験においては、『模擬負荷試験機』を使用しての実施がほとんどとなっております。